水面の煌めき、そしてKing Fisher

〜やまがたすみこ セカンド・ソロライヴ〜


 予約もままならなかった今回のソロ・ライヴ。23年ものブランクの後の、昨秋の
ソロ・ライヴから僅か半年余り。不安や心配を口にしてはいても、スミの中にある
「歌いたい」気持ちは押え切れないのでしょう。  半年ぶりのソロ・ステージに
立ったスミの表情は幸せそうでした。
*        *        *

 とは言っても、ミノトール前で開場を待つ、おっさん かつての少年達の
瞳はキラキラと輝いていたのでした。いやもう、傍から見ると異様なくらいに・・・(汗)
 午後3時半頃、ケンブンさんともどもミノトール2へ到着。挨拶もそこそこに、
いちゃおちゃんのキツイ一発が。「5分くらい前、スミが入ったよ」・・・・ 
何なんだ、この理不尽な仕打ちは。(爆)
 えーい!そんなサイン入りのレコードジャケットやらジャケット(!!)やら、
見せびらかすんじゃねぇ!
 ともかくも、復刻キャンペーンのチラシを皆さんに配布。"Blue Moon Cafe"のロゴ
入りステッカーも配布したけど、迷惑だったかしら?

 ふと気が付けば、階段の下からざわめきが。「ソーダさん!」と呼ぶ声も。
あわてて降りると、おお、スミのお出ましだ! しかも、復刻キャンペーンチラシを
持ってる!渡してくれたacchiさんとyosinonさん、ありがとう!!
 息せききって、スミの前に立つ。でも目が合った一瞬、どうしていいのか判らない。
・・・固まってしまった。 スミもなんだか訳が判らず、引いたかのような表情。
うわぁ〜〜ん!!
でも、チラシは「読んでみますね」と言ってくれた。僕達の思いだけは、通じた筈。

 花束も用意しましたよ。重いのを、わざわざ抱えてきた吟醸酒のボトルを仕込んで。
・・・それにしてもプレゼントっちゅーと、酒しか思い浮かばない僕って、誰かさんの
影をひきずってる? 因みに、お酒のブランドは「木綿葉の流れ」。「ゆうば」だよ、
「もめん」じゃないよ。恋人を捨てて東へと向う列車で旅立ったりはしないのだ。(汗)
 この花束の出番は、もっと後・・・

 無理矢理、席を増やした話は知ってたけど、こりゃ狭いわ、確かに。ま、狭いなり
の利点はあって、スミと観客との距離がない分、一体感というか、親近感はありま
すね。
 お食事の後、スミの出の前に、鑑さんと松宮さんが登場してピアノとギターで盛り
上げてくれます。 ・・・ここで、つい盛り上がって、某メロディ元会長とともに、鑑
さんのピアノに合わせてハモり、会場の喝采を浴びてしまったなどという恥ずかしい
事実は、決して公表出来ません^^;)。

 《 ぶらんこ 》
 《 夏の光に 》

 鑑さんのピアノ伴奏で、あの「ぶらんこ」から。 幼い日の情景を彷彿とさせます。
そして、松宮さんのギターソロで「夏の光に」。 そっと周囲を見渡せば、ケンブン
さんも熊五郎さんも少年のような目でうっとり・・・。
 ここでスミのおしゃべり。 前回のミノトールライブの後、1年に1回くらいライブ
をやれれば、と思っていたけど、とてもたのしかったので1年経ってないけど、やる
ことにしたそうです。みんなに後押しされたような気持ちで、ね。
 1年中のうちで1番好きだと言う5月と10月。 その10月と5月にライブが
出来る嬉しさが、訥々とした語り口の間から滲み出て来るようでした。
 「ぶらんこ」については、今年の2月の二十数年振りのNHK 出演(スタパ
DEライブ)の折、当初予定にはなかったのに、放送直前になって急遽歌うことに
なったものだったそうです。あの日のON AIRは私も見ました。充分に歌い込んでる
と思っていました。 ・・・急遽決まった歌だったとはね。
で、「まるで私の為に書かれたような歌だった」ので、「私のものにしました」
んだそうです(笑)。
 そして、「知る人ぞ知る」(すみこさん談)、「夏の光に」。
「あっ、知ってましたぁ?」と言って、笑いを取ってました。 知らない人なんて、
ここにはいないよお。「ミリオンセラー!」なんて掛け声を掛ける 某元会長。
良かったね、スミが覚えててくれて。

 《 アドリアン・ブルー 》
 《 オンディーヌ 》

 これこそ、「知る人ぞ知る」鑑さんの持ち歌。「やまがたすみこ」の名前ではなく
コーラスの仕事をした鑑さんのアルバム「Splash」に入っている「アドリアン・ブル
ー」は、「女性の声でもいいな」と思ったそうです。つまり、「私が歌った ほうが
ずっといい」
んだよね、スミ。(爆)
 《 Motion in Emotion 》
 スミがコーラスに入った小田木望さんの作品。勿論鑑さんのプロデュースなん
ですが、「嫉妬するくらい素敵な曲」を書いてるそうです。
「・・・鑑さん、こんなsexyな詩を書くんだ」と思ったのが、この“Motion in
Emotion”もちろん、望さんはとても素敵なんだけど、スミの歌にはそれ以上の
艶があります。
・・・昔のスミには、逆立ちしても歌えなかった歌かも。
望さんがステージに立つ機会があれば、一緒にコーラスしたいそうです。そして
鑑さんはさりげなくCDの売り込み(笑)。「簡単に買えますよ」
 《 午後の美術館 》
 The Voice Prejectでの活動は、「声のアンサンブル」としての活動。
それはとっても楽しいんだけど、そうしているうちにソロをやりたくなって来た・・・。
当然でしょ。
 で、VPの代表曲の一つ、「午後の美術館」です。
鑑さんも一緒に歌います。・・・終わったと思ったら、またまた鑑さんのピアノが。
そしてスミが歌う!手拍子のおねだり(笑)付きで。
 《 Never Been Bone 》
 昨年のファースト・ソロライブのタイトルにもなったナンバー。
「大好きな曲のひとつです」スミのコメントは、これだけでした。本当に好きだと、
言葉はなくなるのでしょうか。
 開演前にスミと目があって固まった私も、無理はないでしょ?(笑)
 《 The King Fisher 》
 スミんちでは、犬を飼っています。ゴールデン・レトリバーです。犬のおかげで、
よく散歩に行くチャンスがあります。
 そうした川辺での散歩で気付いたのは、意外と鳥を多く見かけるという事。
よく見るのはカワセミ。コバルトブルーとオレンジ色の煌めきは、スミの心を
捉えたのでした。 バードウォッチングの人々との交流。厳しい自然の摂理の中で
懸命に雛を育てる、けなげなカワセミたち。
 カワセミたちの姿に感動したスミの話を聞いた、「うちの詩人」の鑑さんが、
あのブレッドの名曲「IF」に付けた詩です。

 重さのない宝石が煌めく・・・
 そう、この夜のスミの歌声は、鑑さんのピアノに乗って煌めく、重さのない宝石
だったのです。


 第一部はここまで。「しばらく休憩」の後、次のページへどうぞ。










= 第一部 =


ぶらんこ
夏の光に
アドリアン・ブルー
オンディーヌ
Motion in Emotion
午後の美術館
Never Been Bone
The King Fisher


    
= 第二部 =


アルマンドのルンバ
IN THE MOOD
MERCY3
琥珀色のSWING
Any Old Time
After You
Army Dreamers
Spiral Wishes
Correspondent


The King Fisher
琥珀色のSWING



2001年 5月25日 新宿ミノトール2

やまがたすみこ
井上 鑑  松宮幹彦


   
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