SF 阿久悠/惣領泰則/惣領泰則

「エメラルド・シャワー」発表から半年くらい経った夏の日に発売されたシングル。
まさかこれが、スミの第一線歌手としての最後のシングルになろうとは・・・

スミの作品として極めて異色なのですが、これは当時超売れっ子の歌謡曲の作詞家だった阿久悠氏の 手になる作品です。
阿久悠氏といえば、ピンクレディーや山口百恵に作品を提供したヒットメーカーとして有名では ありましたが、正直、「え〜〜なんで阿久悠なんか使うんだよぉ」と思ったのも事実です。
彼と一緒にSF映画を見に行ってどうのこうのという、当時大ヒットした映画「STAR WARS」から着想を 得たものと思われる安直な作品。ハッキリ言って、スミの全作品の中で最低の歌詞です。
UFOやロボットを出せば事足れりという、SFへの悪しき偏見すら感じます。こんな歌詞で歌うくらいなら 全編スキャットのほうが、どれだけ良かったか判らない。
でも、惣領泰則氏の作曲は秀逸で、スミの音域のおいしい部分を完全に把握して、かつ陳腐な詩を 少しでも聴けるものにしようとした努力が伺えます。
サビの部分の♪闇にうかぶUFO・・・というところのリズムの刻み方、スミの歌いこなし。とっても 素晴らしいものだけに、レコード会社の企画の失敗は罪深いものがあると思えてなりません。

秋を感じた日 阿久悠/惣領泰則/惣領泰則

夏の終わり頃の、都会に生きる女性の日常をサラリと描いた佳曲。
変な注文さえ付けなけりゃ、阿久悠氏も、そこはプロですよ。けっこういい作品です。
ところでこれ、リズムが妙に複雑。スミは、よくこんな難しい曲をサラリと歌ったねえ。
流石、と言うほかありません。

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