早いもので、あれから3日経った。今考えると夢のようである。運が
良かったとしか言いようがない。
事の始まりは先週の木曜日、4月22日である。いつものように朝起きて、
新聞もロクに読まないで登校した。
昼休み、KMが私に向って言うのである。「ア、やまがたすみこが今度、
玉川の高島屋に来るでしょう」 私は内心、信じられなかった。家に帰っ
て広告を見てみると、今日22日と日曜日25日に来るとなっているの
である。
一目でも多く見たいから、すぐに出掛けた。6時から始まる事になって
いた。私は5時半くらいに着いて、適当な所に座った。
そうしたら、誰かが「いさお」と呼びかけるのである。KW君だ。彼は
ハイ・ファイ・セットを見に来たそうである。
リハーサルも終わり、いよいよ本番である。すみこが出て来た。美しい
のである。しかし残念ながら、歌を歌っている時は顔が見えないので
ある。
次にハイ・ファイ・セットが出て来た。そして、色々とやって8時少し前に
終わった。帰ろうと思って席を立つ。KW君が寄って来る。彼はいつの間
にか、ハイ・ファイ・セットのサインを貰って来ているのである。そして私
は思ったのである。「よし、日曜日にまた来て、すみこのサインを貰って
やろう」と。
いよいよ日曜日の朝である。9時半頃起きるやいなや、KYから電話が
かかってきて、「つきあえない」という。ま、仕方がないと諦めて、予定ど
おり一人で出掛けたのである。
11時15分頃に屋上に着いたが、すでに席は満員、いじけて1時からの
甲斐バンドのステージはシカトして、デパートの中でブラついていた。
2時少し前、そろそろ甲斐バンドのステージが終わる頃なので屋上に上が
って立見席の前の方に割り込む。ステージが終わって、席を立つ人がいる。
その席を、即ブン取って、カバンを置いて、またデパートの中をうろつく。
ステージは3時からで、すみことクラフトのジョイントである。2時半頃、会場
に戻る。少し経つとクラフトがリハーサルを始める。
3時になる。いよいよ本番である。司会が出て来る。くだらない事をペチャ
クチャ喋る。しばらくしてから、いよいよすみこが出て来る。そして、ステージ
の上に注目する。風が強い。

30分後にステージが終わる。出口のほうを見てみると、すみこがサインを
やっている!
「やってみるか」という感じで行き、手前でノートとボールペンを取り出す。
だんだん順番が回ってくる。目の前で、しかも1メートルぐらい前で、すみこ
を見る事が出来た。それだけでも幸せである。
ところが、私の手前で「このへんで終わりにしてくれ」とマネージャーが言う
のである。
ガーン!ときて、ショックであった。みんなが握手してもらっている。私も、して
もらえなくて元々という感じで手を出す。するとどうだ。握手をしてもらえた
のである。最高に幸せである。
帰ろうと思ってエレベーターの前を通ろうとする。するとどうだ。横の方で
すみこがエレベーターが来るのを待っているのである。これを逃さずにいられ

るか、という感じでエレベーターに一緒に乗り込む。その中で、僕に離しかけ
る人がいるのである。
そして、どうのこうのと話していると、5月7日のコンサートの券が1枚あまって
いるから安く買ってくれと言う。勿論、喜んで買った。
気がつくと、すみこを見失っているのである。仕方がないから二子玉川の駅
まで歩いて行く。すると、すみこが駅前で立ち話をしているのである。
すかさずノートを持って行って、「サインをして下さい」と頼むと、してくれたの
である。天にも上った気持ちである。
握手は出来るし、コンサートの券は手に入るし、サインはして貰えるし、言う
ことなし。
考えてみると、KYが、もし付き合ってくれていたら、かえって足手まといに
なって、こうはならなかったと思う。この出来事が成功したのは全部KYの
おかげだと言っても間違いではない。
あれから3日経った。今、考えてみると運が良かったとしか思えない。
                          28,Apr.1976   by ISAO

当日、スミが歌った歌

愛しい貴方に・・・
風に吹かれて行こう
青空のない街で
独言(つぶやき)
チューニング・ラブ
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